マンションの管理費を滞納されると、管理組合の運営に支障をきたすおそれがあります。
管理組合では、管理費滞納への対応策のひとつとして、管理費に遅延損害金を加算する仕組みが設けられている場合があります。
本記事では、管理費滞納における遅延損害金の基本と、正しい計算方法について解説します。
遅延損害金を加算できる前提条件
遅延損害金を請求できるかどうかは、管理規約や使用細則にどのような定めがあるかによって判断されます。
管理規約や使用細則に遅延損害金の定めがある場合とない場合について、それぞれ確認していきましょう。
管理規約等に遅延損害金の定めがある場合
管理費の滞納に対して遅延損害金を加算するためには、マンションの管理規約や使用細則に、その根拠となる定めが明確に存在していることが前提になります。
具体的には、年率で何パーセントの利率を適用するのか、いつから遅延損害金の計算を開始するのかといった起算日、日割り計算の有無など、計算方法が規約上明確に定められている必要があります。
これらの事項が規約に明記されていれば、管理組合はその定めに基づいて遅延損害金を請求することが可能です。
消費者契約法では、事業者が消費者と締結する契約における遅延損害金の利率の上限を年14.6%と定めています。
多くの管理規約では、この年14.6%を参考に利率を設定しています。
管理規約等に遅延損害金の定めがない場合
管理規約や使用細則に遅延損害金に関する定めがない場合には、民法で定められた法定利率が適用されることになります。
現在の民法では、法定利率は年3%とされています。
規約に明確な根拠がないまま、独自にそれより高い利率を設定して遅延損害金を請求することはできません。
今後の滞納を抑止する観点からは、遅延損害金の請求を行う前提として、管理規約や使用細則を見直し、利率や計算方法を明確に定めておくことが重要です。
遅延損害金の計算方法
遅延損害金は、以下の計算式で算出し、小数点以下は切り捨てるのが一般的です。
遅延損害金 = 滞納管理費(元本) × 年利率 ×(滞納日数 ÷ 365日)
たとえば、滞納管理費5万円、年利率14.6%、滞納日数90日の場合の計算式は以下のようになります。
50,000円 × 0.146 × (90日 ÷ 365日) = 1,797円
まとめ
管理費滞納における遅延損害金の請求は、管理規約の明確な定めがあって初めて可能です。
まずは、ご自身のマンションの規約を確認してください。
計算自体は可能でも、滞納者との交渉や督促手続きは多大な労力を要し、トラブルに発展する恐れもあります。
滞納が長期化・高額化し、支払督促や訴訟といった法的手続きを視野に入れる場合は、法律の専門家である弁護士に相談することをおすすめします。





