分譲マンションの管理規約には、共有施設の利用方法や騒音などのトラブルの解決方法、修繕費用の分担方法、建物の改装・リフォームに関する手続き、ペットの飼育についての規定、建物外装の変更に関する制限、火災や防犯に関する規定など、分譲マンションに居住するうえで遵守するべきさまざまな内容が含まれています。
分譲マンションのルールともいえる管理規約ですが、違反者がいる場合にはどのように対応していくのでしょうか。
以下で詳しく解説していきます。
分譲マンションのルールである管理規約とは、違反者への対応方法
マンションの管理規約については、「建物又はその敷地若しくは附属施設の管理又は使用に関する区分所有者相互間の事項は、この法律に定めるもののほか、規約で定めることができる」(区分所有法30条1項)と定められています。
そして、区分所有者が定めたマンション管理組合に違反する者がいる場合には、以下のような対応を行うことができます。
- ①共同の利益に反する行為の停止等の請求
- マンション管理規約に反する行為を行う者あるいは行おうとするものがある場合には、「区分所有者の共同の利益のため、その行為を停止し、その行為の結果を除去し、又はその行為を予防するため必要な措置を執ることを請求することができる。」(区分所有法57条1項)とされています。
管理組合集会の決議を経て訴訟を提起する必要があります。 - ②使用禁止の請求
- 「前条第一項(上述の停止等の請求)に規定する場合において、第六条第一項に規定する行為(建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為)による区分所有者の共同生活上の障害が著しく、前条第一項に規定する請求によつてはその障害を除去して共用部分の利用の確保その他の区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難であるときは、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、集会の決議に基づき、訴えをもつて、相当の期間の当該行為に係る区分所有者による専有部分の使用の禁止を請求することができる。」(区分所有法58条)としています。
つまり、管理規約に反する行為が、他の区分所有者の共同生活上の障害が著しいような場合には、違反している区分所有者の管理を禁止する訴訟を提起することができます。 - ③区分所有権の競売
- 上述の方法では区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難と認められる場合、追い出すべく、区分所有者の区分所有権を競売にかけることができます。
- ④引き渡し請求
- マンション管理規約に違反するのは必ずしも区分所有者とは限りません。
すなわち、同人との間で賃貸借契約を締結して、占有を継続しているものが区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難と認められる行為を行うことがあります。
この場合、賃貸借契約の解除や、占有している部分の引き渡しの請求ができます。
いずれも訴訟手続によって行うもので、強制執行が可能です。
管理規約違反者に対する対応方法にお困りの方は浦和法律事務所までご相談ください
管理規約に違反する者がいる場合には、任意に是正を図ることは別として、訴訟を提起して共同区分所有者たちの生活の回復を図ることが必要です。
訴訟は極めて専門性の高い手続きであり、より早期に弁護士に相談して環境の回復を図ることが好ましいといえます。
弁護士 河原﨑 友太(浦和法律事務所)は、マンション・不動産に関するさまざまな問題に対応しておりますので、お困りの際にはお気軽に当事務所までご相談ください。
豊富な知識と経験から、ご相談者様に最適な解決方法をご提案いたします。